「Happiness!」
一発逆転?!

一発逆転?! 1

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入学前から何度か行ってみてたけど、やっぱり学生として歩くのは気分が違う。
最初の二年は専攻別じゃないから、イクヤと一緒に行動することが多い。

そうすると、どうしたって目立つんだよね。
ひとりでもでかくて目立つのに、イクヤは対照的な外見してるからさ。
並んで歩いてる、驚かれたり、クスクス笑われたりするんだ。

すぐに、慣れたけどね。

イクヤが気にしてないから、俺も気を遣わないでいられるんだ。


そうそう、驚いたことに、ロウは専攻も「グローバル研究」から「音楽研究」へ変更してた。
実技じゃなくて、音楽理論や音楽史、民族音楽について、なんかを研究するコースなんだ。


『締め切り前に、カイの麻痺が治ったのも、やっぱ運命なんじゃない?』


ニコニコ笑ってそう言ってた。

日本研究コースに進もうと思ってたけど、麻痺が治ったんなら、それもありだよね。
ロウが先に受講するなら、どんな感じなのか聞けるし。

音大とは違うから、役に立つかどうかは、よくわからない。
今の俺なら、日本研究コースの方が有利になるかもしれないし。





イクヤと別行動になるのは、俺が日本語補講プログラム、イクヤが英語補講プログラムを受講してる時。

この大学は、基本的に講義は英語だけ。
だけど、さすがに、日本についての講義は日本語なんだ。

だから、お互い、講義についていけるようにそのプログラムに参加することにした。
普通の一般教養科目に加えて、結構なコマ数があるから、月曜から金曜まで、びっしりと授業。



二人とも、ランチはお弁当を持ってくる。
キャシーがユージのを作るついでに作ってくれる時もあるし、自分で作る時もある。
イクヤはイクヤで、大学が決まってから、ずっと家事を特訓してきたおかげで、自分で作れるようになってる。


授業が始まって、あっという間に二週間が経とうとしてた。
金曜にランチを食べようと、イクヤと待ち合わせの場所に行った。

イクヤと、もうひとり誰かがいる。

あれ...この女の子...!!



「ああ、下園さんも合格してたんだ!久しぶり」

「覚えててくれたんですね。嬉しい!」


入試のディスカッションで、まとめ役をやってくれた、凛々しい女の子。
イクヤと一緒に歩いてきた時は、誰かと思ったけど、すぐに思い出した。


「え、知り合い?!」


イクヤがきょとんとして、俺と下園さんを見比べてる。
あれ、自分がでかくなって気づいてなかったけど、イクヤも身長伸びてるんだ。


「ほら、話しただろ?グループディスカッションでのジャンヌダルク」

「あー!あれ、美希ちゃんだったの?」


どうやら、英語補講プログラムで同じクラスらしい。
二人とも、見た目はおとなしいけど、中身はとてもしっかりしてるから、意気投合したんだろうな。



「ご一緒させていただいていいですか?」

「イクヤが誘ったんでしょ?大歓迎だよ。会えて嬉しいなぁ」


俺が単純に再会を喜んでると、イクヤがちょっと複雑そうな顔。
あれ、これって、もしかして......。



「心配しなくても、俺は邪魔したりしないってば。
 それどころか、いくらでも協力するよ」


下園さんが飲み物を買いに行ってる間に、イクヤに言い聞かせた。
真っ赤な顔になっちゃって、すっごく可愛い。

ああ、でも、さっきも思ったけど、よく考えたら、かなり男っぽくなってるよな。
しょっちゅう会ってて、小さな変化に気づかなかった。
それに、基準が自分だから、つい可愛いと思っちゃう。



うん、友達の贔屓目を除いても、イクヤってカッコいいよな。
綺麗で可愛らしい印象は、端正でカッコいいに変化してる。


俺が口を挟む問題じゃないし、応援はするけど、おせっかいはしない。
それでも、純情なイクヤが傷つかないといい、それだけは願ってる。




月金は、それぞれ学校に専念で、個人練習。
合わせるのは、土日って、カンとロウとは約束した。

カンは、もっとやりたそうだったけど、俺が授業でヒーヒー言ってるのを知って、不満は言わなかった。


その代わりと言ったら、おかしいかもだけど。

カンは、俺の部屋でインターのワークやペーパーをやる。
そのために、バイト代でノートパソコンを買った。

俺が自分の机で、大学のペーパーやってる間、ベッドに座り込んで、自分のをやってる。
お互い集中してるから、邪魔にはならない。



そして、一区切りついて休憩の時は、コーヒーやお茶飲みながら、ちょっとだけイチャイチャ。
外では、絶対に甘えてこないカンが、キスやハグしてくれるのが、すっごく嬉しい。

そのまま押し倒しそうになっちゃって、ぐっとガマンしてると、カンの方が焦れる。
それでも、翌日が学校の時は、最後までやらないことにした。

卒業前に、何度かねだられて誘惑に負けたら、翌日、カンが遅刻しそうになっちゃったんだよね。
起きても、怠そうだったりするから、あと半年は絶対にガマンすることにしたんだ。



「お前、頑固になったよな」

「いくら拗ねてもダメだよ。あと半年のガマンだろ?」


口をとがらせて、ブツブツ言うけど、それも可愛い。
笑うと、もっと拗ねるから、キスして誤魔化すんだ。


「ん、俺ばっかの問題じゃねぇんだよな。
 ガキみてぇなこと言って、ゴメン」


ロウに聞かせてやりたいよ。
ほんとに大人になったよね。

でも、こんなに可愛いカンは、いくらロウでも見せたくはないかな。


俺って、すっごく独占欲強くて、ヤキモチ妬きなんだ。





「ああ、そう言えば、ロウがGWにライブ演るって言ってたよ」

「お、マジ?なんかのイベントか?それか、どっかと対バン?」


その話の前に、ロウから相談があったことを思い出した。
あー、これは、俺が言ってもいいものなのかなぁ。


「対バンなんだけどね。それより先に、相談があるんだ」



首を傾げてるカンに、どう話したらいいのか、少し迷う。


ロウだったら、どう切り出すかなぁ。


「あのさ、サイドギターかキーボード入れたいんだって。
 もっと音の広がりが欲しいかららしい。
 俺も、その意見には賛成なんだけど、カンは、どう思う?」


結局は、素直にそのまま言うしかなかった。
下手に言い繕っても、カンには通用しない。


「ああ、いいんじゃねぇの?ただ、ついてこれるヤツ限定な」


お、結構、柔軟な返事だ。

でもなぁ...次のは素直に頷いてくれるかなぁ。
なんか、久しぶりに胃が痛くなってきた。

俺って、やっぱり、メンタル弱いのかも。


かなり、情けないけど、ちゃんとしなきゃね。

俺たちの将来に関わることなんだしさ。











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