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「Time After Time」
午後三時のメッセージ

午後三時のメッセージ 8   幸宏

 ←午後三時のメッセージ 7   冬威 →拍手コメ質問に対する回答←今さら... 20180401

何時間眠ったのだろう。
薄暗い部屋、微かなアルコールの匂いがして、自分がどこにいるのかは理解した。

トイレに行きたくなったが、体が重くて起き上がれない。
やはり、どこか壊れたのかとは納得したが、尿意はどうしようもない。


「......すみません、トイレに行きたいんです」


恥を忍んで、洋一に声をかけた。
既に、真っ裸を見られた後だ。
それに、わずかだが、洋一の態度が軟化していたので、頼みやすくもなった。


「ん、起き上がるの大変そうだね。ちょっと待ってて」


何か違和感を感じた。
記憶の中の洋一と、声も口調も違う。

照明が明るくなって、はっきりと気がついた。
近づいてきたのは、洋一ではない。


「俺、まだ夢見てる?!」


近づいてきた男の顔を見て、思わず叫んだ。
自分が病んで、とうとう幻覚を見るまでになったかと思ったのだ。


「いや、現実だよ。はじめまして。
 伊織さんのパートナーで同居人の、澤井冬威だ」

「............マジかよ」


同居人がいることは、雑炊を食べていた時に話を聞いていた。
それが、伊織のパートナーであることも。
しかし、まさか、それが「澤井冬威」だとは、思いもしなかった。

自分の異常さに気がついたきっかけの、初恋の王子様、それが澤井冬威だ。



「あ、すいません。びっくりしちまって」


失礼な態度を取ってしまったと言うのに、冬威は気にしていないようだ。
微笑んだかと思うと、ひょいと自分を子供のように抱きかかえた。


「うわっ」

「ごめんね。ベッドの高さを変えられるはずなんだけど、やり方知らなくてさ。
 トイレ間に合わなくなっても困るでしょ」


いくら華奢でも、男で普通に身長はある。
ここへ連れてこられた時も、原田と北川が両側から体を支えてくれていた。
軽々と抱えるには、かなり鍛えていないと無理だろう。

部屋を出てすぐにあるトイレまで運ばれ、そっと座らせられた。


「恥ずかしいだろうけど、座ったままの方がいいよ。
 めまいや立ちくらみが怖いからね。
 終わったら、また運ぶから、ゆっくりね」


そう言って、トイレのドアを閉められたものの、すぐには用が足せない。
すぐそこには、澤井冬威がいるのだ。



いや、んなこと言ってる場合じゃねぇだろ。
恥ずかしいくらいは我慢しねぇと、待たせちまうじゃん!
そっちのが、よっぽど恥ずかしいっつーの。

あー、英一さんと仲いいんだっけか。
ちらっと話題にはなってたよな、確か。

座りションなんか情けねえけど、しかたねぇよな。
ここでぶっ倒れでもしたら、また迷惑かけちまうしよ。



自分が立てる水音を聞きながら、この半年弱を思い起こした。
それまでの仕事だけをこなすだけの毎日から、どれほどかけ離れているのか。

信じていたものが、ガラガラと音を立てて崩れた。
つきあい始めや転勤が決まった後は、そんな可能性も考えていたのに、だ。

慣れと油断と忙しさ。
それらが合わさって、頭の中から可能性や疑念を無意識に消していた。

目を背けていた、自分たちの関係の脆さに、やっと向かい合おうと覚悟した。
そんなタイミングだっただけに、自分の甘さと弱さが悔やまれる。





「幸宏君、大丈夫?」


どうやら、考え込んでしまったようで、下半身がすっかり冷えていた。
冬威の声で我に返り、慌てて下着とズボンを上げ、手を洗う。


「すいません、ちょっと眠気がして、時間かかっちゃいました」


立ち上がって、自分でドアを開けると、冬威と洋一が並んで待っていた。
どうやら、すぐに出てこなかったことで、冬威が洋一を呼んできたらしい。


「歩けますか?」


頷いて一歩踏み出すと、足元がふらつく。
二人に同時に支えられ、すみませんと謝った。
めまいも立ちくらみもないが、まだ薬が残っているのだろうか。


「失礼します」


洋一はそう言うと、自分を抱き上げた。
いわゆる「お姫様抱っこ」状態で。
これなら、まだ子供扱いの方がマシかもしれない。

だが、少し驚きはしたものの、もう恥ずかしいという感覚はない。
頭が壊れているのか、他人に甘えることに慣れてきている。





「じゃあ、洋一君が帰ってきたから、俺は戻る。
 ゆっくり休むんだよ。またね」

「ありがとうございました」


戻っていく冬威と、またついてくれるという洋一に、頭を下げる。
冬威の背中を見送りながら、自分がおかしくなっていることを再確認した。



あんだけ好きだったのにな。
本人が目の前にいて、驚いてドキドキしたの、最初だけってさ。
すぐに卓也のこととか、引っかかってることに、意識が占領されてた。

やっぱ、頭が通常営業できてねぇってことだろ?



左手を見れば、腕時計がない。
家で外してそのままだ。
枕元に携帯があるはずだが、起き上がるのが億劫で、洋一に尋ねた。


「今、何時ですか」

「もうすぐ、午前六時です」


いつもなら、会社へ行くために起きる時間だ。
昨日から、何時間も眠っているというのに、また睡魔が襲ってくる。



とにかく、眠い時は眠ってしまえ。
伊織さんも、それが一番だって言ってたしな。 











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