「Blue Sky,True Mind」
SS/Blue Sky,True Mind

extra chapter  2   2/2

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「こんにちはー!」


地下の駐車場で、受付のおじさんに、関係者証見せて、小さい箱渡した。
びっくりしてたけど、いっつも世話になってるからって言ったら、笑って「ありがとう」だってよ。

照れくさいけど、嬉しいもんだよな。


まずは、いつも通りに駿さんの部屋へ。

何度も来てるけど、いきなり社長やレンさんの部屋には、やっぱ行きにくい。
自分のバイトの時、いっつもここだったからってのもあるかな。


「こんちゃーっす!」

「おう、来たか。
 今日は応接室使っていいぞ。ビデオもセットしといたからな」

「ありがとうございます。お世話かけます」


あれ、今日は英一さんもいるって聞いてたのにな。
キョロキョロしてたら、モロバレしたみてぇで、駿さんが笑ってんの。


「英一も会うの久しぶりだからな。
 来てすぐ、キースさんとケンさんに、ベッタリくっついてるぞ」

「そーなんすか。じゃあ、これ駿さんの分、受け取ってください。
 レンさんと社長も、応接室すか?」


箱渡して聞いたら、頷いたから、ちょっと悩む。

レンさんのだけは、中身違うから、でっかいんだよな。
だって、ケーキ焼いたからさ。
頼むしかねぇか。


「駿さんから渡してもらえませんか。
 レンさん、誕生日だからケーキ焼いてみました」

「せっかくだから、直接渡せよ。別に、誰も気にしやしねぇって」

 
ま、そっか。気ぃ遣い過ぎか。

駿さんに言われると、説得力ありまくりだから、メチャクチャ安心。



駿さんに連れられて、応接室に入った。

そしたら、みんな、すっげ楽しそうに話しててさ。
珍しく、社長も英一さんも、声出して笑ってんだ!


「失礼します。麻野和哉と申します」

「西山翼です」


和哉が頭下げてっから、慌てて俺も頭下げた。

全員に箱渡したら、頭撫でてくれたり、すっげ喜んでくれた。
社長が「私にもかい?」って言ってたけど、あれ、絶対に慣れてるよな。




和哉のインタビューが始まるから、帰ろうとしたら、社長に引き留められた。


「どうせ、迎えに来るんだろ?
 予定ないんなら、私の部屋で時間潰せばいいよ。
 Quiet LifeのもSMSのも、DVDとか、全部揃ってる」


そんなん言われたら、行かないわけねーじゃん!
奈津さんは、社交辞令なんか言わねぇのわかってっし。

それと、ちょびっとだけ、ほんとにちょびっと、な。
和哉が心配だったりもして、残りたかったってのもある。

インタビューは初めてじゃねぇって知ってるけどさ。
やっぱ、学者さん相手とじゃ、勝手が違うんじゃねぇかって。

だけど、口に出すのは、和哉に悪い気がして、黙ってた。
だって、和哉は和哉で、プロの編集者として食ってきたんだしさ。
その世界を知らない俺が言うのは、気分悪いと思うもん。

この仕事を受けたって聞いた時は、ストレートに言っちまって、後で反省したんだよな。
駿さんにも注意されたっけ、「餅は餅屋だ」ってさ。



社長の部屋に行ったら、予想通り、可愛いラッピングの箱が何個も机に乗ってた!
たぶん、総務の人とか雑誌社の人とかだろうな。

あ、智香ちゃんや春香さんの名前入りカードが付いてる箱じゃん。
お、こっちは、律子さん。


「奈津さん、モテモテじゃないっすか!」

「なんでかはわからないけど、学生時代からそうなんだよ。
 ああ、あんたと和哉の分、いくつか預かってるから、持って帰ってね」

「俺と和哉の?!」

「見たところ、本命はなさそうだから安心しな。
 あんただって、たくさん配ってるだろ?
 おんなじだよ、お歳暮やイベント感覚ってヤツ」


あ、そー言えば、工場のおばちゃんたちとかもくれたっけ。
スーパーで売ってるヤツだったけど、嬉しかったなぁ。
あの頃の俺って、菓子なんか、ほんとたまの贅沢品だったからさ。

しみじみ思い出して、ありがてぇとか思ってたら、奈津さんから質問が飛んできた。


「和哉には、何作ったんだい?
 あの子、洋菓子は苦手じゃなかった?」

「へへー、少しずつっすけど、俺が作ったので慣れてきたんすよ。
 だから、食べれるようにはなってます!
 でも、やっぱ、和菓子のが好きだから、いちご大福作りました。
 小豆あんと白あんの二種類っす」

「いちご大福...和哉がねぇ......」


あれ、なんかニヤニヤしてっけど、俺、変なこと言った?



待ってる間、昔のライブ映像とか見せてもらった。
奈津さんの解説付きだから、贅沢もいいとこだよな。

音楽誌で編集からライターからやってた人だぜ?!
外人さんにもインタビューしてたって、前に英一さんがアルバム見せてくれたことある。
俺でも知ってるようなミュージシャンに肩抱かれたり、ほっぺにチューされたりしてた!


んで、レンさんも英一さんもそうだけどさ。
奈津さんも、ギターのルイが生きてるみたいに話すのな。

それ聞いてっと、みんなの中には、ルイが生きてんだなぁって。
キースさんやケンさんと、みんなで仲良かったんだなぁって、なんしかジーンとした。



あ、ポケットの中で、スマホが震えてる。
取り出すと、和哉から「終わった」ってメッセが来てた。

もらったチョコは、持ってきたクーラーボックスに詰めた。
奈津さんにお礼言って、応接室へ戻る。



和哉のヤツ、すっげ疲れたって顔してんの。
他の人にはわかんねぇだろうけどさ。

でも、俺に気を遣って、キースさんとケンさんのサインもらってくれてた。
んでさ、二人とも、チョコが俺の手作りだって知って、すっげ誉めてくれた。


「一人一人に合わせて作るなんて、なかなかできることじゃないよ。
 英一が誉めてたの、すごくわかる」


ニコニコして言ってくれた、キースさん。


「ああ、俺らの英一が認めてんだ。
 和哉も翼も、先が楽しみだな」


渋い声で言って、頭グリグリ撫でてくれた、ケンさん。

あー、二人ともカッコいいよなぁ。
レンさんも年わかんねぇけど、この二人もわかんねぇよな。
たぶん、ハゲてねぇし、体型維持してっから、そう見えるんかな?

みなさんに挨拶して、和哉に声かけた。


「和哉、帰ろう。いちご大福が待ってるぜ!」


和哉がすっげ嬉しそうな顔して、同時に爆笑が沸き起こった。

なんか、駿さんと英一さんも戻ってきてて、一緒に笑ってんの。

なんでだろ???



ま、いいか。和哉は、嬉しそうだもんな!

それが一番!!











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時期がズレてしまいましたが、ヴァレンタインネタを。
翼は、調理製菓専門学校の一年生も終了間近、好成績で二年に進級予定です。

レンとーちゃん、誕生日ということもあり、現役時代はトラック何台ものチョコをもらっていたんですが、現在は奈津に数で負けてたりします(笑)


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