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「Time After Time」
午前六時のアラーム音

午前六時のアラーム音 12   幸宏

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声をかければ、笙がこっちを向いた。
シニカルに笑っていた口元が、すっと引き締まる。


「転職のこと?」



やっぱ、お見通しかぁ。
予想はしてたけど、先手打たれたら言いにくいのな。

いや、そんなこと言ってる場合じゃねぇっての。
これからがかかってんだ、しっかりしろ、俺!



自分で考えたことと、卓也と話し合った内容を、真剣に説明した。
特に、自分の天秤と卓也の天秤が違うこと、それを卓也が理解していないことに重点を置いて。


「あー、大阪で仕事探してるなら、紹介はできるよ。
 でも、順番、間違ってると思う」


意味がわからずに、ぽかんとすれば、北川の助け舟。


「今話してたのは、幸宏の予想がほとんど、だよね?
 向こうは、こう思ってるはず、自分に気を遣うから、こう動くはず、ってさ。
 もし、それが当たってるとしても、ちゃーんと確認しなきゃダメだよ。
 それこそ、賢者の贈り物みたいになっちゃうし」

「そうそう、聡志さんの言う通り。
 本音でぶつかってケンカの一つでもしてから、転職を考えても遅くないよ。
 じゃないと、どっちもが、先で後悔すると思う」

「......本気でケンカしたことないです。
 続くと思ってなかったから、イヤな思いしたくないし、させたくなかったし」


北川と笙は、軽くため息を吐いて、苦笑いしている。
大樹一人が、なぜか激しく頷いている。


「わかります!俺も、ずっとそうでしたから。
 嫌われるの怖いし、どうせ別れるなら、いい思い出にしたいとか思っちゃいますよね」

「お前、そんなこと考えてたのかよ?」

「今は違うってば!言いたいことは、ガンガン言ってるよ。
 そんなの、わかってるくせに!!」


誠と大樹が、言い合いを始めてしまった。
どうしたものかとオロオロしていたら、笙が笑いながら、一言。


「痴話喧嘩は、帰ってからにしてくれる?」

「「............」」


大樹だけでなく、誠も、笙には弱いようで、背筋を伸ばして神妙な顔になっている。
そんな二人を見て、周りからは、楽しげな笑い声が上がる。





「本気でケンカもできないようじゃ、歪んでくだけだよ。
 確かに、ゲイカップルって続かないことが多いけどさ。
 二十年近く飽きずにいられたんなら、これからだって努力すればいいだけ。
 そのためには、お互いの理解と努力が必要なのは、もうわかってるよね?」

「ああ、せやせや。俺と聡志かって、つきあい始めは、思いっきし、言い合いしてたわ。
 いつか終わるとしても、本気でぶつかってくる相手には、本気で相手せんとあかんし。
 今は、踏ん張り時やろ?余計、本気でぶつからなあかんで」


原田は、北川にとんでもなく甘い。
そんな二人でも、ぶつかり合ってきたと言う。
そう考えると、自分がどれだけ臆病だったかと恥ずかしく思った。


「あ、でも、話し合いはしてます。
 それに、明日も確認しようと思ってて...」



まず、卓也に理解してもらうこと。
次に、自分にできる仕事を探すこと。
卓也の優先順位を確認すること。

これらを話し合うつもりだと説明すれば、北川が微笑んで頷いた。


「ん、頑張って考えたんだね。
 だったら、卓也君にも頑張ってもらおうか」

「へ?卓也にっすか?」

「そう。遠慮してるのは、お互い様でしょ?
 卓也君って、生真面目で不器用そうだしね。
 明日、通話前に、さっき言ってたことをメールしてごらん。
 プレゼンするつもりで、きちんとわかりやすくね」

「!!!」


ああ、そういうことか。
仕事と同じじゃん!
わかってもらいたかったら、相手に合わせて伝え方変えなきゃさ。

つい、いつも通りに話してたけど、俺が素で感情的になっちまってるし。
あいつはあいつで、そんな時の俺はやせ我慢してるって、思うよな。



笙が、持ってきた履歴書と業務内容等説明書を眺めながら、口を開いた。


「大阪での転職は、いくつか紹介できる。
 でもね、聡志さんがおっしゃったように、まず本音でぶつかるのが前提。
 彼氏と話し合った後に、メールして」

「はい、わかりました。帰って、プレゼン資料、作成します。
 それなら、冷静に話し合えると思うし。
 プレゼンなら得意です、資料作るのも実行するのも」


ニヤッと片頬で笑う笙の隣で、健太が履歴書を覗き込んでいた。
そして、こちらを見て、意外なことを言い出した。


「うちに来てもらいたいけど、ダメかな?
 東京に残るにしても、東京支社にスカウトしたいんだけど」


エネルギー企業から大手建設会社への転職。
かなりの無理があるような気がして、首をひねった。


「GOBILから大日本燃資へ変わっても、その年でこの地位にいる。
 それに、国外取引の経験も豊富だし、一番は、販売網管理での業績。
 管理能力の高い人は、喉から手が出るほど欲しい人材だよ。
 取り扱うモノが違っても基本は同じだし、まだ若いから順応もできると思う。
 笙さんが、ダメ出ししないってだけでも、買いだけどね」

「そーだよねー!一緒に働いたこともないのに、紹介するって即答してた!
 笙さん、すっごく厳しいのにさ」


健太と涼の会話で、自分が笙の眼鏡にかなったことを理解した。
同時に、笙の観察眼と洞察力の高さに対する、周りの信頼度も。



そんだけ凄い人が、手を差し伸べてくれてるんだよな。
順番が違うとまで教えてくれてんだもん、ここでびびってる場合じゃねぇぞ。



「ご面倒かけて、すみませんでした。
 アドバイス、ありがとうございます。
 帰って、卓也に納得してもらえるよう、全力で資料作ります」


頭を下げてから立ち上がると、その場にいた全員が、グラスを掲げた。


「頑張るんだよ。何かあれば、すぐに連絡ね」

「明日の日曜は、俺も聡志も予定なしや。
 困ったら、電話してこい」


北川と原田の温かい言葉に背中を押されて、肌寒くなってきた夜の街を急いで帰った。











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