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「True Colors」
千紫万紅

千紫万紅 7

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「笙が、お前らのこと、全面的に信頼したってことやろ。
 別に質問したかて、ちゃんと答えてくれたと思うけどな。
 笙の傷に触らんよう、我慢したんやな」


駅まででいいって言ったのに、由人は、家まで送ると言ってくれた。
そして、ゆっくりと噛みしめるように、話し始めた。



俺たちの想像通り、SMSのベースは「斎藤昌行」という名前で、企業説明会で見た人。

エイチが高校の時、まだ中学生の斎藤さんをスカウトして、交代した。

笙は、斎藤さんにすごく懐いてて、斎藤さんもとても可愛がってた。

インディーズデビューして、高校中退、メジャーを目指して上京した。

プロデビュー目前に、斎藤さんは、事故に遭い、一緒にいたご両親を亡くされた。

本人も、大ケガをして、レコーディングに間に合わず、エイチが代打として加入した。

インディーズラストで、まともに弾けなくなった自分に絶望して、自棄になった。

そして、ヤクザにケンカを売り、そのまま裏社会に入ってしまった。




「...裏言うても、跡取り息子の教育係やフロント企業の仕事ばっか、やってはるんや。
 俺の会社も同じグループやから、なんやかんや話は聞こえてくる。
 高校中退やけど、元々、めっちゃ賢い人やから、経営の才能はあったんやろな。
 ガンガンに出世してて、笙も笑てたわ」


由人の話を聞いて、俺は切なくなった。

キーボードばかり演ってるけど、ほんとはベースが大好きだよね。
それって、エイチだけじゃなく、斎藤さんの影響が大きいんだろな。

あ、由人が今の会社希望したのは、それもあったわけか。
もちろん、業種が合ってるってことは一番だろうけど、言ってたもんな。
笙が喜ぶかもってさ。



「笙、会いたいだろうね」

「そらそうや。それでも親父さんのことがあるから、ずっと我慢してた。
 本人も公務員になってしもたから、転職するか、昌行さんが足を洗うかせんとなぁ」

「笙のスキルと資格なら、もう少し経験積めば大丈夫じゃないかな」

「まぁ、今はまだ時期やないっちゅうことやろ。
 公務員からの転職は、勘ぐられる可能性もあるからな」


烈がわからなかったみたいで、俺をじっと見て、首傾げてる。
人事課にいるんだから、当然わかると思ってくれてるのかな。

さすがに、由人の言う意味は、俺でもわかる。


「うん、そうだね。笙だから、わかってるだろうけどさ。
 公務員って、楽だと思われてるし、退職理由を根掘り葉掘り調べる場合もある。
 免職じゃなくても、本人に問題があるんじゃないかって思われやすいよね」

「俺も、誤解してたもんなぁ、自分が就活するまでは。
 サービス残業が月百時間って、民間でもブラックやろ」

「笙のとこって、力があまりない省な上に、その中でも外様なんだよね。
 だから、予算をもらえないし、人手も足りない。
 そのくせ、グローバル化で業務量は加速度ついて増えてる。
 体壊す前に転職成功するよう、俺も応援したいよ」




もう、そろそろかな。
見慣れた街並みが、窓から見えてきた。



「今日は、ありがとう。これからも詮索したりしないよ、誓う」

「うん、俺も。由人、ありがとね」


またな、って、由人は帰っていった。
見えなくなるまで見送って、二人で部屋へ戻る。


「ほんとにヤクザだったんだぁ...」


烈は、複雑な顔して、考え込んでる。
噂で終わらなかったことに、ショック受けちゃったかな。

芸能界って、昔は関係があるのは、当たり前だったらしいけど。
今は、ヤクザと知り合いってだけで、干されてしまったりする。
どこで誰が繋がってるかわからないし、本人だけの問題じゃない。

だから、兄貴がスカウトされた時、姉貴と二人で、充分過ぎる注意を受けた。
ガキの俺にはピンと来なかったけど、姉貴は真剣に聞いてたよな。



「親父さんのことだけじゃなく、SMSにも迷惑かからないようにってことか。
 やっぱり、笙ってよく考えてるよね」

「うん、俺も兄貴に迷惑がかかるのは、絶対にNGだし。
 淋しいって感情だけで動かないところは、さすがだよ」


斎藤さんが行方不明になった時、まだ中学生だったんだよな。
必死で探して、やっとわかったら、組長の家に住んでたなんて、どれだけ哀しかっただろう。
遠くに行ったわけでもないのに、会えなくなったってさ。

俺だったら、我慢できたかなぁ。


「デビュー当時のエイチって、ひっそりして何も喋らなかった。
 音が変わってからは、ライブの煽りもテレビのインタビューも、ちゃんとしてたけどさ。
 斎藤さんのことが、何か関係あるのかもしれないよね」

「......自分が誘ったんだもんね。
 責任感強いらしいし、可愛がってた後輩だったみたいだし。
 そりゃあ、落ち込んじゃうよね」



河内さんの店や企業説明会で見た、斎藤さんを思い出す。

すっごく背が高くて鍛えてて、顔も整ってたよな。
ダークスーツが似合ってて......あれ?

あの時、二十四歳ってこと?
由人と一つしか変わらないって言ってたよね?!



「ほんっと、経験値って大事だね。
 斎藤さんの迫力とか凄みって、ちょっと見ただけでもわかるくらいだったよ」

「ナナがそれほど言うなんて、珍しいよね。
 見た目じゃわからない方が多くない?」

「だから、俺みたいに鈍くてもわかったんだって!
 ヤクザって怖さだけじゃなかったよ。
 説明会の時は、目立つはずなのに気配消してて、驚いたしさ」


うん、視界に入ってたけど、声に聞き覚えがなかったら、スルーしたと思う。
ちょっと掠れた低めの甘い声で、印象に残ってたんだよな。


「そうなんだぁ。俺もこっそりでいいから、見てみたいかも」


烈がそんなこと言うもんだから、俺、焦りまくり。
話だけで興味持つなんて、烈らしくないじゃん!


「何、焦ってるの?純粋に好奇心だよ。
 第一、変な目で見たりしたら、笙に悪いじゃん」

「...ゴメン。烈が、知らない人に興味持つの珍しいし。
 すっごくカッコ良かったしさぁ。
 烈が、一目惚れしても可笑しくないとかって、つい思っちゃった」

「もうっ、俺が一目惚れなんかすると思うわけ?
 そんな性格なら、ずっと待つなんて言わないってば!!」



うー、叱られちゃった。


でも、そうだよね。

夜遊びしても、たっくさんあった誘いには、絶対に乗らなかった。
警戒心バリバリで、決まったヤツとしか寝ないって決めてた。

それは、病気だとか危険なヤツを避けるのが目的だったけど。

今となっては、烈の慎重さに感謝しなきゃいけないよね。
ずっとそばにいてくれたから、俺にも慣れて、お互いに居心地が良くなった。
それから、好きだと思うようになってくれたんだしさ。

ただね...


「だって、烈がすっごく可愛いからさ。
 心配になるんだよ、俺」


あ、烈が、久しぶりに真っ赤になっちゃった!
可愛いって言ったら、余計に怒られるかな。











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~ Comment ~

NoTitle

拍手ポチにあるように、ナナの周囲と本人たちにいくつも花火が上がっているようです!

キレイな色の花火、悲しい色の花火、音だけの花火。。
この時期、心のアルバムにはいろんな色が貼り付けられているんでしょう。

そして昌行さんが出てきたー。
笙さん、嬉しかっただろうなあ。 実際、逢えなくてもね。

Re: NoTitle

コメント、ありがとうございます。

自分のことさえ理解できずにいた七海が、周りの人間に影響され、少しずつ成長してきました。
烈というパートナーを得て、友人のために努力しようと頑張っているところです。

笙が昌行に再会するのは、十年近く後。
それまでは、メールや間接的な情報だけですが、我慢した分、喜びは大きかったと思います。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

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